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(書評)セルフトーク・マネジメントのすすめ

この記事では、コーチング会社を経営する鈴木正幸さん著の「セルフトーク・マネジメントのすすめ」についての概要と感想を書いていきます。

どんな人におすすめ?

自分を無意識で責めてしまい、不安や恐怖でいつも心が苦しくなてしまう方にぜひ読んでいただきたい本です。

会社での将来のキャリアを考えると、無能な自分は会社のお荷物になるんじゃないか?と不安になる。会社でプレゼンをすることになり、前回の失敗を思い出し過度に緊張してしまう。

ネガティブな気持ちになると、なぜ私はこんなにも不安や恐怖に苦しんでいるんだって思ってしまいますよね。もっとポジティブに生きられたなら、楽しい人生を送ることができるのに、と誰しもが思ったことがあるでしょう。

この本ではネガティブな気持ちを持ってしまう自分が嫌だ、と感じてしまう人におすすめの本です。

セルフトークとは?

セルフトークとは、著者の鈴木氏いわく「特別なひとり言」です。セルフトークは、感情、行動、反応などの引き金となる言葉のことです。

例えば、怒りの要因となる刺激(例:部下が遅刻した)により、怒りの感情が芽生えたとします。このとき、怒りの感情が芽生えたのは、刺激が原因ではなく、刺激から生じたセルフトーク、「遅刻するなんて許せない!」というセルフトークが原因になっていると鈴木氏は言います。

刺激が直接的な原因でないことは、以下の例をみるとわかりやすいでしょう。例えば、遅刻したのが部下であれば「遅刻するなんて許せない!」と思うでしょうが、上司が遅刻した場合は「遅刻するなんて何か問題が起こっているのか?」などと考え、怒りの感情がわいてこない、ということもあるでしょう。

つまり、刺激が怒りの原因になったのではなく、その刺激によって生まれたセルフトーク「遅刻するなんて許せない!」が怒りの原因となったということです。

そして、このセルフトークを変えることができれば、自らのな感情をコントロールして、より建設的に考え、よりよい行動をとることができるのです。

2種類のセルフトーク

セルフトークには、無意識で頭に浮かんでくる「セルフトークA」(AutomaticのA)と意識的に作り出す「セルフトークB」があります。それぞれ、Automatic(自動)のAとbear(生む)のBと覚えるとよいでしょう。

人は一日に6万回考えるといいます。そしてそのうちの8割がネガティブなことを考えており、さらにそのほとんどが無意識で考えてしまっています。

何百回も他人からネガティブな言葉をかけられたら、あなたはどうなってしまいますか?当然疲弊して、人生辛いといったことになりますよね。あなたは自分自身に対して、疲弊させるようなことを言い続けてしまっています。

この無意識で生まれるネガティブな発言のことを、セルフトークAといいます。セルフトークAは感情的な反応を引き起こします。

例えば、プレゼンの時に緊張してしまって、うまく話せないといったことは誰にでもあると思いますが、このとき自分の中で「どうせ失敗する」「誰も俺の話なんて聞かない」なんてことを無意識で思っていませんか?実はこのセルフトークAが緊張という反応を引き起こしています。

ではセルフトークBとは何でしょうか?人は感情的な反応しかできない動物ではありません。理性的な対応をすることができます。例えば緊張したときにも「どうすれば緊張しないか?」を自分に問うて、「手に人の字を書いて飲み込む」という対応をとることができますよね。これが効果があるかは置いておいて、理性的な対応を促すセルフトークをセルフトークBといいます。

ネガティブな感情はセルフトークAによってもたらされる

例を見てわかるように、ネガティブな感情はセルフトークAによってもたらされます。つまり、このセルフトークAを、セルフトークBに変えることができれば、ネガティブな感情をコントロールして、建設的な対応ができるということです。

セルフトークAをセルフトークBに変えるには?

セルフトークAをセルフトークBに置き換えるのには、2つの段階が必要です。まずセルフトークAを生み出していることに気づき、次にセルフトークBに変えることです。

1.セルフトークAに気づく

無意識が生み出すセルフトークAがネガティブな感情を引き起こすということを説明しました。しかし、無意識で考えてしまうため、何も考えずに過ごしていると、セルフトークAが勝手にしゃべり続けてしまいますよね。

人が怒りや不安という感情にいつの間にか支配されてしまうのは、無意識化でセルフトークAがネガティブな発言を自分に繰り返し聞かせ、心がパンクしてしまうからです

まずは、自分の中にセルフトークAが生まれているということに気づかなければ、感情的な反応を、理性的な対応に変えることができません。

ではどうすれば、セルフトークAに気づくことができるでしょうか?2つの方法をお伝えします。

一日の終わりに日記をつける

日記といってもただの日記ではありません。夜寝る前に、その一日で自分に投げつけたセルフトークAを書き出しましょう。とにかく、セルフトークAに気づくことが重要なので、できる限り書き出してみましょう。

また、セルフトークAは無意識化で生み出すものであり、夜寝る前にも日中のセルフトークAを引きずっている可能性があります。そのセルフトークAを棚卸することによって、ぐっすりと気持ちよく寝ることができるでしょう。

瞑想をする

瞑想をすることによって、セルフトークAに気づきやすくなることができます。瞑想の目的は、このセルフトークAに気づくことだと言っても過言ではないかもしれません。

瞑想といってもそんなに難しいことではありません。姿勢は座っていても、横になっていても構いません。静かな空間で自分の吸って吐く息に集中しましょう。このときに、頭の中で何か言葉が浮かんでくるでしょう。

これがセルフトークAです。自分自身に注意を向けることによって、自分の中で無意識に投げかけていたセルフトークAに気づくことができるようになります。

最初はぼんやりとセルフトークAがあるなあと思うだけかもしれません。ですが慣れてくると、明確に聞き取ることができるようになるでしょう。

 

 

セルフトークBに置き換える

セルフトークAに気づくだけで、感情的に反応してしまうことは少なくなるでしょう。次はさらに、自分の理性的な対応を引き出してみましょう。それがセルフトークBに置き換えるということです。

セルフトークBは理性的な対応を促します。大事なプレゼンを控えて緊張しているときでも、「どうしたら緊張しないか?」などの言葉を自分に投げかければ建設的なアイデアが出ることでしょう

では、具体的にどんなセルフトークBを生み出せばいいのかを説明していきます。

肯定的な質問に置き換える

無意識で発生するセルフトークAは毎度毎度、ネガティブな発言ばかりしてきます。「どうせ無理だよ」「やるだけ無駄」こんなネガティブ発言されても落ち込むだけですよね。

肯定的な質問とは、ポジティブな答えを引き出すような質問です。「どうしたら緊張しないか?」も「手に人の字を書いて飲み込む」というポジティブな解決策をもたらすので肯定的な質問ですね。

つまり、セルフトークAに気づいたら、「どうしたらこの状況を打開できるか?」や「自分に今できることは何だろう?」といった肯定的な質問を投げかけてみましょう。

きっと、建設的な答えが見つかるはずです。ネガティブな発言を繰り返すことに何も意味はありません。

相手のことを考える

ネガティブな感情になっているときは、基本的に自分のことしか考えていません。「相手に嫌われたらどうしようとか」、「なんで俺はこんなに無能なんだ」といった他人のことを考えずに自分のことばかり考えています。

そんな時は他人のことを考えるセルフトークを投げかけ、視点を変えてみましょう。例えば「相手はどういうときに喜ぶだろうか?」、「相手はなぜこんなことを言うのだろうか?」など、自分ではなく、相手の目線に立って考えると、感情的でない理性的な対応をとれることでしょう。

まとめ

・ネガティブな感情をコントロールするためには、特別なひとり言である「セルフトーク」を管理すればいい。
・セルフトークには2種類あり、ネガティブな感情を引き起こす無意識的なセルフトークA、理性的な対応を促す「セルフトークB」がある。

・自分の感情をコントロールし、建設的な行動をとるには、セルフトークAに気づき、さらにセルフトークBに置き換えてしまえばいい